ロゴ:人間塾〜人に出会い、人をつなぐ、人になる。〜

2021年スペシャル企画『人間塾と私』
塾生・修了生インタビュー

人間塾と私2.

遠藤若奈さん(修了生/第4期)

サントリーフラワーズ株式会社 営業推進部

遠藤若奈さん(修了生/第4期)

自分で考えて答えを出す、それが人間塾の学び。

人間塾に入ってすぐの5月の連休には、恒例のお遍路合宿が予定されていましたが、私の大学は連休中も講義があったため、塾長に「合宿には参加できません」と伝えました。すると返って来たのは、「ダメです、参加してください」という言葉。「大学の講義以上に大切な事って何?」という考えに凝り固まっていたその時の私には、塾長の言葉の意味が理解できませんでした。しかし、後から考えると、これこそ仲野塾長のものの教え方だったのです。例えば、物事の優先順位というのは、考え方によって一つではないことや、理不尽なことに直面した時にそれをどう調整すべきかなど、この機会を使って、私に「自分で考えてみなさい」と課題を下さったのでした。また同時に、人間塾の活動には、大学とは全く別の大切さがあるというメッセージも込められていたと思います。仲野塾長は決して「こうしなさい」と答えは言わずに、塾生一人一人に必要な異なる課題を与えて、本人が自分で考えてどう答えを出すか、じっと見ながら待っています。この入塾早々の出来事を、私は何年たっても忘れられません。

自分の弱さや視野の狭さに、早く気づけた幸運。

人間塾に出合う以前、私は自信過剰な完璧主義の傾向があって、自分の能力を高めることだけが、自分の存在を認めてもらう方法だと思っていました。同時に、自分以外の人には関心が薄く、結果として他の人と触れ合う機会が少なくなり、自分の視野や価値観の狭さに気づいていませんでした。そんな私が大きく変わるきっかけとなったのが、人間塾で仲野塾長から教えていただいた「人は不完全であることで、他者とつながることができる」という言葉でした。自分にも弱さがあることを自ら認め、受け入れ、それを隠そうとせず人に開示することによって、人と人とはつながることができる。そして、その弱さが一人一人みんな違うからこそ、互いに助け合っていけるのだと。この言葉を学んでから、完璧主義だった私が、弱みも持った今の自分のままでいいのだと思えるようになりました。また、同期や先輩の塾生とより深いつながりを持てるようになったおかげで、自分の視野や価値観の狭さに早い時期に気づくことができたのはとても幸運でした。後から振り返ると、この言葉は私ののちの就職先や自分らしい使命との出合い、そして仕事でのモチベーションにも大きくつながってくるのですが、それはまた後ほどお話しします。

遠藤若奈さん(修了生/第4期)

真の思いやりとは、人の軸に寄り添えること。

私が人間塾で得た最も大きな成果を一言で表現するとしたら、それは「人の軸」に寄り添えるようになって、本当の意味での思いやりを持てるようなったことだと考えています。例えば、友人から悩みの相談を受けた時、以前の私なら、自分の価値観だけで勝手に解釈して、「こうしたらいいでしょ?」と自己完結的に即座に答えていたと思います。それが人間塾で学ぶ中で、自分と違うその人の価値観に沿って一度自分のフィルターをかけずにしっかりと話を聞き、その後でより深く考えられるようになったのです。その人はどうして悩んでいるのか。どんな気持ちでいるのか。その人の気持ちの軸に、自分の気持ちを精一杯重ねたところで考え、その上で言葉を返せるようになったこと。それは別の言い方をすれば、この人を大切にしていこうという真の覚悟を持つことだと知りました。言うまでもなくそれは、仲野塾長が私たちに対して厳しい話をする時に、いつもその裏に感じる、塾生を本気で大切にする強い覚悟とまったく同じものなのです。

志望企業の「チーム力」に惹かれ、「使命」に出合う。

私は大学では嫌気性細菌の研究をしていたので、就職先としてまず考えたのは味噌やヨーグルトなどの発酵食品に携われる食品メーカーでした。ところが思いがけないことに就活中のある時、私はサントリーグループの外食部門であるダイナックという会社に強く惹かれたのです。その理由が自分でも意外なのですが、説明会でお会いしたたくさんの社員の方が、「こういう方々と一緒に働きたい」と心から思える人ばかりだったからなのです。会社紹介の中心にあったのは、ダイナックの最大の強みである「チーム力」。確かに外食の現場というのは、社員と年配の方も含んだ多くのアルバイトがONE TEAMにならなければ、全く機能しないでしょう。この「チーム力」の可能性を何よりも大切に、さらに最大化していこうという会社の姿勢に、私は強く惹かれたのです。そして、その時にすぐ気づいたのが、人間塾での学びが与えてくれた私自身の変化との結びつきでした。入塾前は、自分にしか興味のなかった私が、視野を広げて「人」に興味を持てるようになったこと。一人でできることの限界に気づき、人との結びつきの中で発揮できる力が如何に大きいかを学んだこと。ダイナックとの出合いが掛け算になって、いろいろな人と関わり合いながら最高のチームを作っていく仕事をしていくことが自分の使命だと、初めて自覚するきっかけになったのだと思います。

遠藤若奈さん(修了生/第4期)

初任配属のレストラン現場で、仲野塾長に会えた夜。

2018年、私は無事にダイナックに入社することができました。初任配属はいきなり新国立劇場の直営レストラン。初めての飲食業で体力的に慣れるまで、時間がかかりました。しかし、それ以上に大変だったのが、年下の方がほとんどいないアルバイトのみなさんに、新人であれ社員としてリーダーシップをとる立場になったこと。必要なことは伝えながら、チームとしての関係を調整していくことの試行錯誤でした。しかしその間、人間塾で学んだことが本当に私を助けてくれました。人の軸に寄り添った接し方も、人は不完全だから他者とつながれるという自覚も…。また、仲野塾長は音楽鑑賞と食事マナーの研修として、塾生を連れて何度も私のいたレストランへ来て下さり、私を気にかけてくれました。厳しさの内側にあるその深い愛情を、本当にうれしく感じたのを覚えています。

ますます膨らむ私の使命は、「チーム・ビルディング」。

その後、サントリーグループ内で異動があり、現在はサントリーフラワーズという会社で、テーブルハーブといった植物商品の法人営業と新商品企画を担当しています。まだ異動してから日も浅く、今の業務は残念ながら「チーム作り」からは距離がありますが、いつかその機会と出合う日のための準備期間として、まだまだ足りない言葉の選び方や、交渉力、プレゼン力などの向上に、意識的に取り組んでいるところです。最後になりましたが、人間塾での学びから芽を出し、ダイナック入社の際に自覚した「チーム・ビルディング」という私の使命、仕事の中でチームの一人一人がキラキラ輝きながら最高の活躍ができる組織作りをいつか実現するという考えは、今も自分の中でますます生き生きと膨らみ続けています。

遠藤若奈さん(修了生/第4期)