ヤングセミナー

【レポート】人間塾2025年度 人間塾カレッジ第二日目

2025年8月1日

2025年7月21日は、人間塾カレッジの第二日目でした。塾生たちも随分とリラックスしており、笑いのたくさん聞こえてくるカレッジとなりました。修了生、保護者の方々、人間塾会員の皆様が会場に来てくださったり、またオンラインでご参加くださったりと、にぎやかなカレッジとなりました。

今回のレポーターは第14期生の藤髙滉大です。是非ご一読ください。

塾長・仲野好重

人間塾 第14期生 藤髙滉大
(中央大学 4年)

7月21日、人間塾カレッジの二日目が開催されました。会場には修了生の落合さんと髙瀨さん、塾生の保護者様も駆けつけてくださいました。一日目の授業を終えたことで、緊張がほぐれた塾生がいたこともあり、前日よりも活発に質問が飛び交う雰囲気の中、授業が始まりました。

最初の授業は、森瑛一郎君による「強く、美しく、そして進化する:ラケットが刻むテニスの軌跡」でした。テニスの歴史、特に戦術の変遷に焦点を当てた内容で、プロの選手のプレー映像に加えて、森君自身がプレーを実践・撮影した映像も紹介されました。映像にあわせて森君によるスポーツ中継さながらの情熱的でわかりやすい実況解説によって、テニスに造詣のない人でも試合映像を楽しむことができました。また、プロの選手がいかに高度な戦術で駆け引きをしているのかを学ぶこともできました。

人間塾2025年度ヤングセミナー:テニスの服装で登場

テニスの服装で登場

続く二時間目は、5歳からバレエを続けている岩元美樹さんによる「言葉のない国際的な舞台芸術~『くるみ割り人形』に見るバレエの魅力~」でした。授業では、バレエがイタリアで誕生し、フランス、ロシアへと伝わる中で現代の形へと進化したという歴史を学びました。その後、12月に人間塾で鑑賞予定の『くるみ割り人形』を題材に、この演目の魅力について解説がありました。私は、美しい踊りと音楽によって描かれる『くるみ割り人形』の夢幻的で美しい世界観に感動し、この演目を実際に鑑賞する日が待ち遠しくなりました。そして、授業で特に盛り上がりを見せたのが、言葉を使わずに身振り手振りで物語を伝える「マイム」の意味を、岩元さんの実演から読み解くクイズでした。長年バレエに打ち込んできた岩元さんの美しい所作に、皆が魅了された授業となりました。

人間塾2025年度ヤングセミナー:お手製の番町マップ

お手製の番町マップ

昼の休憩を挟んだ午後の授業は、歴史好きの伊藤壮司さんによる「番町解体新書 〜 首都・東京の「心臓」に迫る!~」でした。人間塾が位置する「番町」の長い歴史と格式に迫る内容であり、授業を進めるにあたって伊藤さんお手製の番町の地図が配布されました。この地図には番町に居を構えた多くの文人の旧居跡や、大学などの教育施設が詳細に書き込まれており、これと番町の古地図などを見比べることによって、番町という街の変遷をわかりやすく学ぶことができました。そして授業の終盤では、実際に番町に住んだ文化人の紹介もあり、古くから多くの才能が集まった格式高い場所で学ばせていただいていることに、胸が熱くなりました。また、番町に住んでいながらその歴史を知らない人を指す「番町の番町知らず」という言葉も紹介され、私自身もそうであったと痛感すると同時に、この街への興味が一層深まりました。

そして、カレッジ最後の授業は、バーテンダーの資格を持つ仲野塾長による「カクテル講座」でした。授業は二部構成で、第一部ではカクテルの基礎知識や食前酒(アペリティフ)について学びました。第二部では、第二次世界大戦中に「命のビザ」で多くのユダヤ人難民を救った杉原千畝と、その協力者であったオランダ領事ヤン・ズワルテンダイクの物語が語られました。杉原千畝の偉業は日本で広く知られていますが、協力者であるズワルテンダイクの存在を私は初めて耳にしました。彼の名があまり知られていない背景には、「できる限りのことをして、あとは沈黙する」という彼自身の哲学があったことも明かされました。そしてユダヤ人救出作戦の要となった場所オランダ領「キュラソー島」にちなみ、授業の最後には塾長自ら、その島のオレンジから作られるリキュール「ブルー・キュラソー」を使ったカクテルを振る舞ってくださいました。見た目も味も清涼感あふれる一杯は、連日の猛暑にぴったりで、会場の人々から大好評でした。

人間塾2025年度ヤングセミナー:夏らしいカクテル

夏らしいカクテル

大盛況のうちに人間塾カレッジは閉幕しました。カレッジの授業は、テーマ設定から発表準備まで多くの時間と試行錯誤を要します。しかし、努力を重ねて作り上げた授業を皆さんに楽しんでいただけたときの喜びはひとしおです。また、塾生が自身の専門以外のテーマを探求することによって作り上げた授業には、その人の感性や人柄が凝縮されていました。これにより、塾生の新たな一面に触れることができ、互いの理解を一層深められたように感じました。

そして今回、人間塾カレッジの準備において、リーダーとして多大な貢献をしてくれた森君と坂本君には、この場を借りて心より感謝を伝えたいと思います。本当にありがとうございました。



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